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堀江貴文著

TwitterでのあまりのRT攻勢に負けて買ってしまいました。
正直悔しいです。

最初はiPad最適化のアプリが出るまで待とうと思ったのですが、リリースの気配が無いので書籍で読みました。
読み終わった最初の感想は「これは堀江氏の支持者には売れるわ」でした。

本書が売れた理由は内容というよりも、マーケティングの勝利と言えると思います。
自分は、Twitterでは堀江氏の支持者というよりもどちらかというと「既存のマスメディア否定派」で、その結果として「堀江氏の動向や発言は注目している」という立場です。実生活を考えると、彼はITベンチャーにおける一時の英雄であるという点で偉大な先輩という位置でもあります。

最初、自分が本書の概要を聞いたときには、ただ単に「徹底抗戦」の内容を小説化したものじゃないのか、という印象を受けました。
しかし、その考え方は大きな誤りでした。
本書は「徹底抗戦」の流れを汲みつつも、そこに大きな新しいエッセンスが多分に含まれた作品だったからです。

以下、ネタバレを含みます。



あらすじ。
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フリーターで年収200万の優作はゲームセンターで「オッサン」と出会う。優作はオッサンと公園で鳩の話をしながら次第にオッサンの話に耳を傾けていく。経済、経営に対する「オッサン流」の考え方を次第に吸収していった優作は契約を交わす。

「優作はどのくらい金持ちになりたい」
「そうだなあ、お金で買えないものは無い、というぐらいに」
「よし、それでいこう」

その後優作はオッサンに与えられた資金と知恵、そして助言をもとに携帯ゲームサイトの会社を設立する。
そして、数年後、優作の会社「ネクサスドア」は上場を果たす。

しかし、その後、オッサンからの指示が変化する。
球団買収の当て馬、テレビ局の買収などを行うが、優作の思い通りに進まない。
優作はオッサンがある思いを果たすために作られたスケープゴートだった。
それに気づいた優作は反抗を試みる。しかし、優作の行動は全てオッサンの想定内だった。
—————————————————
あらすじ終

単純にあらすじを書くとやっぱり堀江氏のこれまでのドキュメントのようにも見えます。
だけど、中身の細部は違うのです。
おそらくこの本の細部は「今だったらこう言っていた、こうやっていた」という「今だからわかる有効な方法」を多く取り入れて書いているのだと思う。
本書の前半の大きなウェイトを占める「鳩ゲー」は、今のソーシャルゲームの概念が多く入っています。
買収の記者会見などはUSTやソーシャルストリームを組んだ動画サイトそのものだと思います。

これらは「今のWEBならあの時こうしていた」もしくは「こうやれば良かった」といった堀江氏の願望なのではないかと思うのです。
それではくても、今、当時の振り返りをフィクションにしたときに現在のWEBの要素を入れることで話全体の空気を古くしないという意図があったのかもしれません。

この過去と現在の融合は、堀江氏のマーケティング能力の高さを物語るものに自分は感じます。
小説としては「事実は小説より奇なり」ではないですが、事実を下地にしている分、物語としては楽しめました。
特筆すべきは読みやすさ。よく玄人にありがちな「説明過剰」と言った点がなく非常に読みやすい作品になっています。
「24」「プリズン・ブレイク」といった外国の連続ドラマを観ているようでした。

反面、期待を裏切るところが少ない作品であると感じました。
端的に言えば「想定内」の作品。
細かいところのアレンジは俊逸ながらも、事前の予想を超えるところは少ないというのが感想です。
ですので、活字に慣れた人が読むと若干物足りない内容と感じると思います。
自分はそう感じました。

しかし、これは本書以外にも堀江氏の本を読んでいる人間の感想であり、そうでない方は違う感想を持つと思います。
逆にこの本が堀江氏が書いた初めての本を読む機会であれば、非常に楽しめるのではないでしょうか。
次回作も書いているということなので「原作ありき」であった本著と違ってどうなるのか、非常に楽しみな出発点の作品であると思います。



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