物語を書くときに気をつけたのは、ロジックを超えたように見える偶然のような必然をどう演出するかだった。
人を感動させる方法は簡単で。
幼き人は、完璧な姿に憧れ、大人は成長に、天邪鬼は裏切りに感動する。

人の心を感動させることは簡単だ。でも、心の底から笑わせるのは難しい。前者はロジックで、後者は天性を必要とするから。
人を笑わせることの出来る人は、人を感動させることが出来る人だ。ただ、残念なことに、人を笑わせることの出来る人の中に、それに気づけている人は少ない。

人を感動させる人は大体そのことに気づいている。そして、その壁に絶望する。全てを知ったとき、目の前にあるのはただの生まれ持った才能の違いだということに気づくから。

だから人を感動させることの出来る人は、人を笑わせることの出来る人に「あなたにはその才能がある」と気づかせる努力をする人が多い。それは、代償行為なのか、別解なのか。

ただ、これだけは分かる。人を笑わせることが出来る人は、出来るだけ多くの笑顔をこの世界に生れさせた方が良い。それを、人を感動させることのできる人は知っている。今も世界のどこかで起こっている小さな悲鳴。永遠に起きつづける能力のミスマッチ。
世界で最もやりがいのある仕事がそこにある。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です